2026.08.10
犬・猫の熱中症に注意!室内でも危険?症状と暑さ対策を獣医師が解説
こんにちは。江戸川区西葛西の葛西中央どうぶつクリニックです。
東京でも厳しい暑さが続いています。
夏に犬・猫と暮らすうえで、特に注意していただきたいのが**「熱中症」**です。
「日中のお散歩を避ければ大丈夫」
「猫は室内飼いだから熱中症にはならない」
「エアコンをつけているから安心」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、犬や猫の熱中症は炎天下のお散歩だけでなく、室内や車内でも発生する可能性があります。
特に7〜8月の東京は気温だけでなく湿度も高く、犬・猫にとって厳しい環境になります。
今回は、犬・猫の熱中症の初期症状、危険な症状、応急処置、室内での暑さ対策、夏のお散歩の注意点について獣医師が解説します。
犬・猫はなぜ熱中症になりやすい?
人間は暑くなると全身から汗をかき、その気化熱によって体温を下げることができます。
一方、犬や猫は人間のように全身から大量の汗をかいて体温を調節することができません。
特に犬は「ハアハア」と口を開けて呼吸するパンティングによって熱を逃がします。
ところが、気温だけでなく湿度も高くなると、この方法では十分に熱を逃がせなくなることがあります。
そのため、東京のような高温多湿の夏は、犬・猫にとって熱中症のリスクが高くなる季節です。
犬・猫の熱中症は室内でも起こります
熱中症というと、
「真夏の日中に犬を散歩させてしまった」
という状況をイメージされるかもしれません。
もちろん炎天下のお散歩は危険ですが、室内で過ごしている犬や猫でも熱中症になることがあります。
例えば、
- エアコンを使用せずに留守番をしている
- 日当たりの良い部屋で長時間過ごしている
- 風通しが悪い
- ケージやキャリーの中に長時間いる
- 水を十分に飲めない
- エアコンを使用していても室温が高い
- 留守番中にエアコンが停止してしまった
といった状況です。
特に夏のお留守番では、「エアコンをつけたから大丈夫」と考えるのではなく、実際に犬や猫が過ごしている場所が暑くなっていないか確認することが大切です。
犬の熱中症でみられる症状
犬の熱中症では、初期に以下のような症状がみられることがあります。
- 激しくハアハアしている
- 呼吸が速い
- よだれが多い
- 舌や歯ぐきが赤い
- 落ち着きがない
- 元気がない
- 散歩中に歩きたがらなくなる
「暑いからハアハアしているだけ」と思われやすいため注意が必要です。
涼しい場所へ移動しても激しいパンティングが続いている場合や、普段とは明らかに様子が違う場合には熱中症を疑います。
重症化すると危険な症状がみられます
熱中症が進行すると、
- ぐったりして動かない
- 嘔吐
- 下痢
- ふらつく
- 立てない
- 意識がもうろうとする
- 呼びかけへの反応が悪い
- けいれん
などがみられることがあります。
このような症状がある場合には、緊急性が高い状態です。
できるだけ早く動物病院へ連絡してください。
猫の熱中症でみられる症状
猫も熱中症になります。
猫では犬のようなパンティングを日常的に行うことは一般的ではありません。
そのため、
「猫が口を開けてハアハア呼吸している」
という場合には注意が必要です。
そのほか、
- 呼吸が速い
- よだれが出る
- 元気がない
- ぐったりしている
- 嘔吐
- ふらつく
- 反応が鈍い
などの症状がみられることがあります。
猫は体調不良を隠すことも多いため、「いつもより元気がない」「いつもと呼吸が違う」という小さな変化にも注意してあげましょう。
特に熱中症に注意したい犬・猫
すべての犬・猫に熱中症の可能性がありますが、特にリスクが高い子がいます。
① フレンチブルドッグ・パグなどの短頭種
フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリア、ペキニーズなど、鼻が短い犬種は特に注意が必要です。
短頭種は気道の構造上、効率よく熱を逃がすことが苦手です。
暑い日の運動や興奮をきっかけに急激に呼吸状態が悪化することもあります。
猫でもペルシャやエキゾチックショートヘアなどの短頭種では注意しましょう。
② 高齢の犬・猫
高齢になると体温調節能力が低下するだけでなく、心臓病や呼吸器疾患などの持病を抱えていることがあります。
若い頃は問題なかった暑さでも、シニアになってから負担になることがあります。
③ 肥満の犬・猫
肥満の犬・猫では体内に熱がこもりやすく、呼吸にも負担がかかりやすくなります。
④ 心臓病・呼吸器疾患がある犬・猫
心臓病や気管虚脱などの呼吸器疾患がある場合には、暑さによって呼吸状態が悪化することがあります。
「暑くなってから呼吸が速くなった」
「以前より散歩ですぐ疲れる」
といった変化があれば、熱中症だけでなく基礎疾患の悪化も考える必要があります。
犬・猫が熱中症になったときの応急処置
熱中症が疑われた場合、まずは暑い環境から離すことが重要です。
エアコンが効いた室内など、涼しい場所へ移動させましょう。
意識があり、自分で安全に飲める状態であれば水を用意します。
ただし、ぐったりしている犬や猫に無理やり水を飲ませると誤嚥する危険があるため、無理に飲ませないでください。
体を冷却する場合には、常温〜やや冷たい程度の水で体を濡らし、風を当てながら冷やします。
一方で、氷水に全身を浸すなど、極端な冷却は避けましょう。
そして、応急処置をしながら動物病院へ連絡してください。
一度元気になっても安心できないことがあります
熱中症で重要なのは、単純に「体温が高くなるだけではない」ということです。
重度の熱中症では、脱水や循環不全だけでなく、腎臓、肝臓、脳、消化管、血液凝固系など全身に障害が起こる可能性があります。
自宅で体を冷やしたことで、
「ハアハアしなくなった」
「少し元気になった」
としても、体内では臓器障害が進行していることがあります。
特に、
ぐったりした、意識状態がおかしかった、嘔吐・下痢があった、立てなくなった
などの症状が一度でもみられた場合には、症状が改善していても動物病院へ相談することをおすすめします。
夏の犬の散歩は「時間」と「アスファルト」に注意
西葛西・葛西周辺でも、夏の日中はアスファルトが非常に高温になります。
犬は人間よりも地面に近い位置を歩くため、気温だけでなく地面からの照り返しの影響も強く受けます。
さらに、熱くなったアスファルトによって肉球をやけどすることもあります。
夏のお散歩は、
できるだけ早朝や日が沈んだ後の涼しい時間帯
を選びましょう。
ただし、日が沈んだからといって必ずしも安全とは限りません。
アスファルトに熱が残っていることもあるため、お散歩前には地面の熱さも確認してあげてください。
夏のお留守番|エアコンはどうする?
夏場に犬や猫を留守番させる場合には、基本的にエアコンを使用して室温を管理しましょう。
ただし、犬種・猫種、年齢、体格、被毛、持病などによって適切な環境は異なります。
「○℃なら絶対に安全」という数字だけで判断するのではなく、
- ハアハアしていないか
- 呼吸が速くなっていないか
- 涼しい場所を探していないか
- 水を飲めているか
- 普段通りリラックスできているか
など、その子の様子も確認してください。
また、
- 水飲み場を複数用意する
- 直射日光をカーテンなどで遮る
- 涼しい場所へ自由に移動できるようにする
- ペットカメラや温度計を利用する
といった対策もおすすめです。
夏の車内に犬・猫を残さないでください
夏場の車内は短時間でも温度が急激に上昇する可能性があります。
「コンビニに行くだけだから」
「数分だから」
「窓を少し開けているから」
という状況でも安全とは限りません。
夏場は犬や猫を車内に残さないようにしましょう。
動物病院などへ車で移動する場合にも、あらかじめエアコンをつけて車内を十分に涼しくしてから乗せてあげると安心です。
犬・猫の熱中症は「予防」と「早期対応」が大切です
犬・猫の熱中症は、重症化すると命に関わることがあります。
一方で、飼い主様が日頃から暑さ対策を行うことで、リスクを減らすことができます。
特に夏場は、
「室内だから大丈夫」
「短時間だから大丈夫」
「去年も大丈夫だったから今年も大丈夫」
と考えず、その日の気温・湿度と愛犬・愛猫の体調を確認してあげましょう。
また、
- 呼吸がいつもより速い
- 激しくハアハアしている
- 暑くなってから元気や食欲がない
- 散歩ですぐに疲れる
- ぐったりしている
- 嘔吐や下痢がある
などの症状がみられる場合には、熱中症だけでなく心臓病や呼吸器疾患など、別の病気が隠れていることもあります。
気になる症状があれば早めに動物病院へご相談ください。
西葛西・葛西で犬・猫の熱中症が心配な方へ
葛西中央どうぶつクリニックでは、犬・猫の熱中症をはじめ、夏場の体調不良について診察を行っています。
江戸川区西葛西・葛西周辺で、
「犬が急にハアハアしている」
「猫の呼吸がいつもより速い」
「暑い場所にいて、ぐったりしている」
「熱中症かどうか分からない」
など、ご心配な症状がありましたらご相談ください。
熱中症は症状が進行すると緊急性が高くなることがあります。
明らかな呼吸異常、ぐったりして立てない、意識がおかしい、けいれんなどがみられる場合には、様子を見ず、できるだけ早く動物病院へご連絡ください。
愛犬・愛猫と安全に夏を乗り切るためにも、日頃から室温管理・水分補給・散歩時間などを工夫して暑さ対策をしていきましょう。